鮎の生態と習性


鮎はどんな魚なのか

日本人が愛する優美な淡水魚・鮎

鮎はキュウリウオ科の魚で、柳の葉のようなスリムな体をしており、
鮎の身からはスイカの匂いが漂うために「香魚」と呼ばれることもあります。

鮎はどんな魚なのか 01

北海道から沖縄まで生息しており、澄んだ清流を好みます。

また、鮎は「年魚」とも呼ばれ、1年で命を閉じます。

鮎は濁った水中では生きられないため、鮎が棲むということは、
水の美しさのバロメーターにもなります。

鮎はどんな魚なのか 02

産卵は秋に行われ、卵は二週間程で孵化し、海に下って成長した後に
生まれた川に戻ってきて産卵を行い、儚い生涯を終えるのです。

成長した個体は全長30cmほどですが、地域により大きさが異なる場合もあります。

なお、鮎は海ではプランクトンを主食としていますが、川に遡上すると
藻を食べるようになります。

現在、自然で育った海産鮎と人工的に養殖されてから放流された人工鮎が存在します。

海産はひきしまった体をしていますが、人工鮎は脂肪が多く、
大きめの体格をしているものが多いようです。

鮎の習性

食性と行動が変わる鮎

海から川に遡上した鮎はプランクトンから藻にエサを変えるだけではなく、
歯の形すら藻を食べやすいように臼型に変わります。

さらに、その食性が変わるだけではなく、川を遡上する際や逆に川へ下る際の移動で
集団で行動し、移動を終えると群れから単独行動になります。

また、単独行動で定住するようになると鮎は自分が食料とする石垢の藻の周辺を
縄張りとします。

ただ、ここで説明したのは主に海産鮎のことです。

人の手で孵化し、川に放流された人工鮎は縄張り意識が比較的弱く、定着後も群れで
行動する方を好むなど、少し行動が異なりますのでご注意ください。

縄張りを中心とした鮎と群れで泳ぐ鮎のパターンは異なります。

そのため、狙う鮎のタイプによって釣り方を考える必要があります。

人工鮎と海産鮎

同じ鮎でも違う性質

自然に揉まれて育った海産鮎は、元気が良くて擦れていませんが、人間の手で孵化して
放流された人工鮎は海産鮎とは違い、素直な反応をしません。

海産鮎であれば、元気でイキイキしたオトリを目の前に放せば突進してきますが、
人工鮎は反応が一定ではなく、無視してしまったりあるいは弱々しい動きをすると
攻撃してくるなど、行動が予測できない面があります。

人工鮎は、いわば温室育ち。自然競争を生き残っていく上で海産鮎と比べ、
ひ弱な育ち方をしています。

ですから縄張り意識も薄く、海産鮎と比べて、オトリへのアタックが弱いのです。

海産鮎は縄張り意識が強いため、定住すると単独行動を取りますが、
人工鮎は定住後も群れに残ることが多いようです。

そのため、人工鮎の群れを釣るためには、「群れ鮎崩し」というオトリを群れの中に
放り込んで引っ掛ける釣り方をします。

鮎に関する豆知識

鮎は古来から愛されてきた

鮎は日本で古来から愛されてきた魚であり、神功皇后が鮎釣りを楽しんだり、
釣りで占いをした、という故事もあります。

また古くは「年魚」と書き、寿命が一年で終わるためだと言われています。

万葉集でも鮎を題材にした歌が詠まれ、上品な香りと繊細な味わいや内蔵のほろ苦さが
日本人に好まれ、愛され続けている魚です。

食通、魯山人の鮎の食べ方

食通として有名な北大路魯山人も鮎の繊細な味を愛し、由良川の上流で獲れた鮎を
わざわざ鉄道で生きたまま運ばせた、という逸話もあります。

そして一番美味しい鮎の食し方は「はらわたを抜かず、塩焼きにして、火傷するほど
熱いものに蓼酢を絞ってかぶりつくこと」と魯山人は言い残しています。

鮎に関する豆知識

魯山人も絶賛した鮎の塩焼き。鮎の姿の美しさ、香気、繊細な身の味わい、内蔵の苦み。

そのハーモーニーがきっと楽しめること請け合いです。

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